かつてネットのアンダーグラウンドでカルト的な人気を誇った伝説のFlashゲーム、『DEMONOPHOBIA(デモノフォビア)』をご存知でしょうか。その作者が長い沈黙を破り、新たな3Dサバイバルホラーとして世に送り出したのが本作です。しかし、SteamのレビューやSNSなどを見ていると、熱狂的な称賛がある一方で「つまらない」「期待はずれ」といった声も少なからず見受けられます。購入を迷っている方のために、本作がなぜ賛否両論なのか、実際のプレイヤーの声を分析しつつ、その魅力と欠点を徹底的に解説します。
DysthanasiaのSTEAMゲームの特徴
本作は、記憶を失った少女が異形の怪物が徘徊する研究施設から脱出を試みるサバイバルホラーゲームです。最大の特徴は、主人公が徹底して「無力」であるという点でしょう。銃やナイフで敵をなぎ倒す爽快感は一切なく、プレイヤーに許された手段は「逃げる」「隠れる」「道具を使う」ことだけです。見つかれば即座に凄惨な死が待っているという緊張感は、往年の名作ホラーゲームを彷彿とさせます。
また、本作は「死に様」そのものがコンテンツの一部として機能している点も見逃せません。ゲームオーバーになることが単なる失敗ではなく、ある種のコレクション要素や演出の見せ場として設計されています。3Dグラフィックに進化したことで、肉体が破壊される描写やグロテスクな表現がより鮮明になり、その手のジャンルを好む層にとっては、唯一無二の体験を提供する作品となっています。謎解き要素も強く、断片的な情報を集めてストーリーを考察する深みも用意されています。
Dysthanasiaがつまらないと言われるポイント
評価が分かれる最大の要因は、意図的に調整された「操作性の悪さ」にあります。主人公はか弱い少女であるため、移動速度は遅く、しゃがむ動作や方向転換にもリアルな「もたつき」が発生します。これが恐怖を煽る演出として機能している一方で、快適な操作を求める現代のゲーマーには「ストレスが溜まる」「テンポが悪い」と感じられるようです。特にアクションゲームのようなキビキビとした動きを期待すると、そのギャップに失望してしまうでしょう。
さらに、表現規制やコンテンツの仕様に関する不満も散見されます。Steamで配信されている通常版の状態では、過激な描写がマイルドに抑えられている箇所があり、期待していたほどの衝撃を受けられなかったという意見があります。具体的には以下のような点が指摘されています。
- 外部パッチを適用しないと、死亡時の演出が単調(ただ倒れるだけ等)になり、本作の持ち味が薄れる。
- 特定の残酷描写を期待して購入した層にとっては、通常版の内容だけでは価格に見合わないと感じる場合がある。
- セーブデータの消失や進行に関わるバグに遭遇したという報告もあり、技術的な不安定さが没入感を削ぐことがある。
このように、プレイヤーが何を求めてこのゲームを買ったかによって、評価が大きく下振れするリスクを孕んでいます。
Dysthanasiaはここが面白い
一方で、本作を高く評価するプレイヤーは、その「不自由さ」こそが恐怖のスパイスであると捉えています。BGMを極力排し、環境音や足音だけで敵の気配を探るプレイフィールは、非常に高い緊張感を生み出します。武器を持たない恐怖、固定カメラ視点による死角の多さなど、初代『バイオハザード』や『サイレントヒル』といったクラシックなホラーゲームへのリスペクトを感じさせる作り込みは、古参のファンにとってたまらない魅力となっています。
また、3D化されたことによる演出の強化も好評です。特に評価されているのは以下のポイントです。
- 「写輪眼」のような透視能力システムがあり、血痕を辿ったり敵の視界を可視化したりする戦略的なステルス要素が楽しい。
- 主人公の弱々しい挙動が、かえって「守ってあげたい」「絶望的な状況」という没入感を高めている。
- 外部パッチ適用後の映像表現は非常にクオリティが高く、作者の過去作から正統進化したグロテスクな美学が詰まっている。
単なるビックリ系ホラーではなく、じっとりと精神を削ってくるようなジャパニーズホラー特有の湿り気と、容赦のない暴力描写の融合は、刺さる人には深く刺さる傑作として評価されています。
まとめ
総じて『Dysthanasia』は、万人に勧められるゲームではありません。快適なアクションや爽快感を求める人、あるいは外部パッチの導入などの手間を惜しむ人にとっては「操作性が悪くて地味なゲーム」と映る可能性が高いです。また、非常に過激な表現が含まれるため、耐性のない方には強く警告する必要があります。しかし、以下の条件に当てはまる方には、間違いなくプレイする価値があります。
- 作者の過去作『DEMONOPHOBIA』のファンであり、あの絶望感を3Dで味わいたい人。
- 主人公が無力な「逃げゲー」や、クラシックなサバイバルホラーの雰囲気が好きな人。
- ゲームにおける残酷表現や、失敗(ゲームオーバー)そのものを楽しめる特殊な嗜好を持つ人。
遊ぶ際は、公式やコミュニティで推奨されているパッチの適用状況を確認し、部屋を暗くしてヘッドホンを装着することをおすすめします。理不尽な死と隣り合わせの、悪夢のような探索があなたを待っています。
















